なぜ拍手を
打つのか?
●神様の前で二拝二拍手をするのは、何故でしょうか?
まず作法から説明します。
正式には、二拝(2回礼をする)、二拍手(2回拍手を打つ)、一拝(1回礼をする)です。
▷二拝の、一拝(一度目)は、人に頭を下げる時は、一度ですが、神様に感謝を表す為に、もう一度頭を下げます。
腰を90度に折り、一呼吸し、元の姿勢に戻る。これを2回。
(頭や首を曲げるのではない。)
▷二拍手は、柏手(かしわで)を打つ事で、胸の高さで手を合わせ、右手を少し下にずらして2回拍手を打つ。その後、今度は指先を合わせて祈りを込めて手を下ろす。
更に一拝(先述に同じく、腰を90度に折り一呼吸)を行い、最後に「願望・希望」伝え、宜しくお願い致しますと念じます。
●まずは「拝」をする意味について
拝とは、頭を下げ礼を表す行為です・・・
尊いものや感謝を相手に対して表す為に頭を下げる事であり、私たち日本国に於いて大切にされてきた、尊敬と感謝を表す礼儀作法であります。
さて、「参拝をすることの大切さ」でも述べたように、私達人間は、神と称する大きな力の御働きによって生かされ、生きています。
この類稀なる空間に、人として命を授かった事は当たり前ではありません・・・また、太陽光、引力、空気などなど、たくさんの不思議な御力を頂いている御蔭で生きて行けるのです。
それらの御蔭を頂いているのですから、「感謝」を表す事が必要なのです。
従って、拝(頭を下げ礼を表す)とは、人間としての当然の行為なのです。
●次に「柏手(かしわで)」を打つ意味について
頭を下げ礼を表す意味は知って頂けたかと思いますが、それだけでは足りないので、「感激」を表す為に拍手を打つのです。
起源を辿っていくと、古くから日本では手を打つ習慣がありました。
一番古い記録は、「魏志倭人伝」への記載です。
「倭人は、偉い人に会ったときに手を打つ」とあります。
柏手(手を叩く)という行為は、神様だけでなくて、人に対しても行われていたのです。
さて、手を打つ行為は「魂振(たまふり)」と呼ばれており、手を叩いた時に出る「音」によって神様を招き寄せ、「魂・御霊」を動かすために行われていたのです。
神様をお呼びする儀式であり、祝福をする深い意味があるのです。
大加教会に於いては、「加持・祈祷」の際に人に対して柏手を打つのですが・・・人に対して柏手を打つ事によって、その方をお護り頂いている神様をお招きして、更なる加護がいただけるよう・活気が生まれるように「加持・祈祷」をさせていただいております。
また、葬儀(五十日祭を過ぎるまで)では「偲手(しのびて)」と言いまして、音を出さずに二拝二拍手をするのが習わしで、亡くなられた故人の御霊を呼び戻さないようにする作法が代々受け継がれております。
●「柏手」の効果は・・・
考えてみると、手を叩く行為は「神前」だけではなく、誰かが歌を唄う時にも拍手(はくしゅ)をするように、拍手を打つ事によって、空気を揺り動かし、「静」を「動」に変える働きや、「陰」邪気を退散させて「陽」を呼び込むという効果があります。
例えば、大好きな歌手のコンサートを見に行った時に、自然と拍手喝采をしてしまいますね!!
その時は、全体に活気も出て、会場の雰囲気も明るくなり、会場が更に盛り上がります。
つまり、「柏手(かしわで)」には人を元気にする作用があるのです。
●心を込めて「二拝二拍手」をしよう
昔から神社神道に於きましては、八拍手・四拍手など、神社によって異なる作法があります。
しかし、一番重要なのは、神様への最大の尊敬と、感謝と、感激と、活気を表す事です。
二拝二拍手とは、神道に於いて最も神聖な儀式であり、神様への丁寧で心のこもった感謝を表す為の御挨拶なのです。